年代 | 江戸時代(17世紀) |
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材質・技法 | 竹製 |
サイズ(cm) | 長16.9 筒長20.0 |
小堀遠州が松花堂昭乗から掛軸を貰った返礼に贈った茶杓。『伊勢物語』第78段によれば、山科の宮に右大将藤原常行が紀伊国千里の浜の風情に富む石を差し上げた時、在原業平が青い苔を刻んで、あたかも蒔絵のように「あかねども岩にぞかふる色見えぬ心をみせむよしのなければ」と詠じて奉った故事を踏まえたもの。茶杓の見所は蟻腰の中節に開いた虫喰穴。この穴の周囲が奇形の岩盤の趣を呈する大胆な造形で、深々とした色に青苔を連想して銘としたものと知れる。