重要文化財
年代 | 桃山時代(16ー17世紀) |
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材質・技法 | 陶器 |
サイズ(cm) | 高17.5 口径18.3~19.2 底径17.4~19.0 |
桃山時代の志野水指の中でも、器形・釉調・絵文様などすべてにおいて、最も優れた作行きを示すもの。肩と胴下部に段をつけて箆で整えており、力強く堂々とした姿の水指である。腰のゆったりとしたふくらみに対して頸のしばりは強く、これが外側に開き気味の厚い口縁と矢筈口を強調している。どっぷりと掛かった志野釉が、よく溶けて貫入を生じており、口縁と裾には赤い火色が現れている。胴の周囲には鉄釉で葦と檜垣文が下絵付けされており、まるで水墨画のようなその風情が、冬枯れた岸辺を思わせることから「古岸」の銘が与えられたのであろう。